ゲームストリートファイターZERO3必勝無頼拳完成秘話

 白熱灯に照らされ、浮かび上がる2人の男。
 2メートルを越す大男が、苦しそうに荒い息をしている。そこに飛び掛かるもうひとりの男。
「あれは・・・オレの、オヤジ? そうだ、あれは・・・・・・ムエタイ・チャンピオンに挑むオヤジの姿だ。て、ことは・・・・・・!? だめだ・・・・・・やめろ、やめてくれ!!」
 大男の眼が見開き、凶暴な赤い光を放った。それは吹き出す鮮血だった・・・・・・。「やめろォォ─────!!」
 飛び掛かった男は、その血を全身に浴び、逆に吹っ飛ばされた。世界が、赤く染まってゆく・・・・・・。
「!!」 ダンはベッドから飛び起きた。全身が震え、不快な汗がシーツをぬらしていた。
「また、あの夢か・・・・・・!」
 格闘家だった父が、ムエタイ・チャンピオンのサガットとの試合の直後に命を落としてから十数年、ダンはこの悪夢に悩まされ続けてきた。復讐を果たすまではこの悪夢は去らない。そう信じ、ダンは遮二無二、己の拳に殺意と憎悪を宿らせ、悪鬼サガットを討つべく修行を重ねてきたのだ。おもむろに立ち上がるダン。体中にみなぎる炎のごときパワー。目前に揺れるサンド・バッグの前に立ち、ダンは力を解き放った。
「オラオラオラオラオラアアァァァ─────!!」
 すさまじい勢いで蹴りや突きが放たれ、一分のスキもなくサンド・バッグに吸い込まれてゆく。もてるすべての技を瞬時に叩き込む・・・・・・ダンの怒りが臨界に達したとき、抑止不可能の超絶技「必勝無頼拳」が発動する。
「晃ゥ龍ゥ拳ンン!!」
あとかたもなく消し飛ぶサンド・バッグ。いまやダンに、サガットを恐れる心はない。恐れは怒りに、脅えは憎しみに変えてみせる・・・・・・己に課した誓いを確かめるかのように、ダンはひとり、拳を突き上げるのだった。

※ZERO3では、ダンはすでにサガットを倒したことになってます。
※ダンのオヤジの名前は、ゴウといいます。
※サガットの片目の視力を奪ったのは、ダンのオヤジです。

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